講演日時:10月27日(土) 13:00~15:10
会場:宇治おうばくプラザ1階/きはだホール
定員:300名
プログラム(PDF)
宇宙の音

13:00~13:40 生存圏研究所 教授 大村 善治
宇宙空間では可聴域の周波数をもつ様々な電磁波が発生し、人工衛星で受信されるだけでなく地上まで伝わってきて、アンテナで受信された信号をオーディオアンプに通すと鳥の鳴き声のような音となって聞こえます。この電磁波によって、磁気圏に侵入する太陽風粒子の一部が相対論的なエネルギーにまで加速されて、地球の周りに放射線帯が形成されていることが分かってきています。宇宙の音が伝える宇宙環境の変動について紹介します。
京都に灰降る

13:45~14:25 防災研究所 教授 井口 正人
京都に火山灰が降り積もることが想像できるでしょうか?琵琶湖の湖底に残された厚さ30㎝の火山灰は、今から2万9千年前に鹿児島湾で発生した巨大噴火で飛んできたものです。これほど巨大でなくとも、桜島で起こった安永、大正年間の大規模な噴火では近畿地方にも火山灰を降らせているのです。このような大規模な噴火が起こる可能性と、もし起こったとすれば、京都ではどんな被害が出るか考えてみます。
太平洋の鉛汚染

14:30~15:10 化学研究所 教授 宗林 由樹
鉛は古代から利用されてきた元素ですが、その中毒もヒポクラテスのころから知られています。鉛は揮発性が高く、20世紀には四エチル鉛がガソリンのアンチノック剤として利用されたため、全球の汚染が進みました。現在は、石炭燃焼、高温製錬、ゴミ焼却が鉛のおもな排出源となっています。近年、分析法の進歩と国際共同観測計画GEOTRACESの展開により、海洋の鉛汚染の実態が明らかになってきました。本講演では研究の背景と最新の成果をやさしくご紹介します。