
化学研究所
物質創成化学研究系・特定助教
松本 憲志マツモトケンシ
元素間の仲の良さが作りだす新しい結晶構造
コメント
幾何学的には無限数の選択肢があるにもかかわらず、単体金属や二元系合金の原子配列(結晶構造)は特定の構造しか安定に存在できません。そのため、新規の結晶構造を開発するためには別の構造が安定になるような駆動力を加える必要があります。そこで私が着目した構造変態因子は元素間の固溶可能・不可能といった特徴です。元素には原子レベルで交じり合える元素ペアと交じり合えない元素ペアが存在します。ある二元系合金(AB)に対して、Aとは固溶可能でBとは固溶不可能な第三元素(C)を微少量導入することで、C周辺の元素がAだけになるように構造が劇的に変態する現象を見出しました。この方法によって、前例のない新規結晶構造の創出に成功しています。
キーワード
元素間固溶性、結晶構造変態、二元系合金、第三元素導入
詳細
京大教育研究活動データベース
https://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/gZ2hO
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