京都大学 宇治キャンパス公開

講演日時:10月19日(土) 13:00~15:55

会場:宇治おうばくプラザ1階/きはだホール
定員:300名(先着)
プログラム(PDF)

イオンだけの液体を使ってエネルギー問題に挑む

イオンだけの液体を使ってエネルギー問題に挑む

13:00~13:40 エネルギー理工学研究所 教授 野平 俊之
食塩(NaCl)を加熱するとどうなるかご存知でしょうか? 800℃を超えると、溶けて無色透明の液体となります。このように「塩そのもの」が溶けて液体になったものを「溶融塩」と呼びます。溶融塩はイオンだけで構成されていて、そのイオンが動くことができるので、電気を通すようになります。最近では、室温で溶けている塩も開発されていて、「イオン液体」と呼ばれます。本講演では、このようなイオンだけの液体を使うことで可能になった、太陽電池用シリコンの新しい電解製造法や、電力貯蔵用の新しいナトリウム二次電池の開発について、エネルギー問題の背景も一緒に分かりやすくご紹介します。

植物ホルモンとは?そのはたらきと応用

植物ホルモンとは?そのはたらきと応用

13:45~14:25 化学研究所 教授 山口 信次郎
私たち人間の身体のはたらきは、多くのホルモンによって調節されています。植物にもホルモンが存在し、生長の様々な過程で重要な役割を果たしています。植物は発芽後、根を張ると移動できなくなります。したがって、変化する周りの環境に適応するためにいろいろな仕組みを備えています。植物のホルモンはそのような環境適応にも大切なはたらきを担っています。講演では、植物のホルモンがどのようにはたらき、農業においてどのように利用されているかについてお話します。

レーダーで診る大気の動き

レーダーで診る大気の動き

14:30~15:10 生存圏研究所 教授 橋口 浩之
レーダーを使って大気の動き(風の流れ)を観測することができます。1984年に開発された MUレーダー(写真)は、直径103mの巨大なアンテナを有し、電子制御による電波ビーム方向の高速切替えを特徴としますが、これが世界初であったとして、国際学会である IEEE からマイルストーンに認定されました。MUレーダーの成果を基に開発された小型の大気レーダーは気象庁の観測ネットワークに採用され、日々の天気予報にも活用されています。

2018年台風21号による強風被害

2018年台風21号による強風被害

15:15~15:55 防災研究所 教授 丸山 敬
平成 30 年 9 月 4 日に「非常に強い」勢力を保ったまま上陸した台風 21 号は、記録的な暴風および高潮を伴い、関西地方を中心に多大な被害をもたらしました。建物や構造物の強風被害、大規模な停電の発生、強風に伴う高潮・浸水被害、漂流したタンカーの衝突による連絡橋の破損など、公共インフラなどにも多くの被害をもたらしました。今回の台風災害は、都市域において強風・高潮災害が発生したものとして、日本において繰り返されることが予想される複合災害の典型です。本講演ではその特徴を振り返り、今後の防災・減災のあり方を考えます。

宇治キャンパス公開2019は、京大ウィークス2019の一環として実施します。 10月5日(土)~11月10日(日)は「京大ウィークス2019」として、全国各地の京都大学の教育研究施設が公開イベントを実施します。
詳細はこちらをご覧ください。