京都大学 宇治キャンパス公開2022

講演日時:10月22日(土) 13:00~15:45

会場:宇治おうばくプラザ1階/きはだホール
定員:300名(先着)
プログラム(PDF)

京都大学創立125 周年記念 特別講演会「人生百年時代を生きる若者達へ」

13:00~13:30 京都大学総長 湊 長博
最近の人口推計によれば、西暦2000 年以降に生まれた先進諸国の子どもたちの50%は100 歳を超えて生きることになるだろうと言われています。だとすれば、これまでのライフ・ステージのあり方も大きく変わることになるでしょう。日本では、学生として学ぶステージと社会人として働くステージははっきりと分けられていますが、来たるべき人生百年時代ではもっとフレキシブルになると思います。米国では、大学を卒業後、一旦社会へ出た人が再び大学や大学院に入学して新たな知識や素養を身につけ、全く新しいキャリアで社会的に活躍していくことは決して珍しくはありません。若い皆さんには、何度も挑戦して真に自分の求める道を選んでいく十分な時間が保証されているということです。アップル創業者のひとりスティーブ・ジョブズは、「本当にやりたいことを見つけるまで決して立ち止まるな」と言っています。若い人たちには、本当の自分を見つけるまで、失敗を恐れず何度でも果敢に人生にチャレンジしていっていただきたいと思います。

災害の経済分析:過去の調査から分かってきたこと

災害の経済分析:過去の調査から分かってきたこと

13:35~14:15 防災研究所 教授 多々納 裕一
災害が社会経済にどのような影響がもたらされるのか、防災研究所では 2004年の新潟県中越地震以来、主要な災害が企業の生産活動に及ぼした影響に関して継続的に調査を続けて参りました。その結果、2011年東日本大震災の経済被害に関しては、その影響を概ね再現しうるモデルを作成することに成功しました。本セミナーでは、これらの調査研究を通じてわかってきた知見を皆様と共有するとともに、今後、災害リスク軽減に向けて取り組むべき課題に関して議論したいと思います。

元素連環学ことはじめ:化学と宗教の界面に

元素連環学ことはじめ:化学と宗教の界面に

14:20~15:00 化学研究所 教授 中村 正治
「日本人が発見した新元素ニホニウム(113Nh)」「レアアース」「低炭素社会」など、元素の世界が今熱い。
私たちの世界は周期表上の 118 種類の元素がお互いに連携・循環=連環しながら成り立っています。「炭素」や「鉄」は、生命と密接に結び付いている元素であり、有機化学という学問分野でも化学工業という産業分野でもその重要性は際立っています。本セミナーではこれらの元素の連環を、化学と宗教のはざまに立ってお話ししてみようと思います。さて、上手くできるかな~?

私達がすむ太陽系の中の地球、私達がすむ宇宙 ー科学衛星によるその宇宙環境探査からー

2018年台風21号による強風被害

15:05~15:45 生存圏研究所 教授 小嶋 浩嗣
国際宇宙ステーション、月面基地、火星有人飛行など、私達人間は、その活動域を地球から宇宙空間へ拡張しはじめています。その宇宙空間は、「無」の空間ではなく、プラズマという「希薄」で、「電子とプラスイオンがばらばらになった」物質で満たされています。私達の地球もこのプラズマ中にあり、また、宇宙空間での人間活動もこのプラズマの中で行われることになります。私たちが宇宙空間を利用するには、プラズマがつくりだす宇宙空間の環境をよく理解する必要があります。この講演では、宇宙を満たすプラズマが、「地球に与えている影響」、そして、「人間活動の場としての宇宙に対して用意されている環境」について、科学衛星による探査データをもとに考えたいと思います。

宇治キャンパス公開2022は、京都大学創立125周年記念 京大ウィークス2022の一環として実施します。 7月29日(金)~11月6日(日)は「京大ウィークス2022」として、全国各地の京都大学の教育研究施設が公開イベントを実施します。
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